iOSアプリ版 マリーのアトリエ レビュー


ファンタジーRPGが流行に流行りまくっていた時代ですよ。

主人公は「魔王を倒す勇者」ではない。
世界を危機から救わない。

そんなコンセプトが斬新だったのが、「マリーのアトリエ」でした。

■主人公はめっちゃ弱い普通の女の子

だいたいファンタジーRPGといえば、華奢に見える女の子が、やたら薄着なのにめっちゃ強いってのが定番じゃないですか。
しかし、マリーは正真正銘、弱いです。(笑)

錬金術学校であまりに落ちこぼれていたため、救済措置の特別テストとして、5年間工房で実地訓練をして、なんとか卒業制作を作ろうという、そんなお話です。

錬金のための材料集めすら、一人で出かけるとモンスターにあっさり殺されます。
錬金も、特に最初は出来ることが恐ろしく少なく、成功率も低く、コツコツ簡単なものを作ってだんだん難しいものに挑戦していくという、かなり地味な感じです。

しかしよく出来ているのは、「世界中の人に感謝される」ということはなくても、「自分の関わった人たちとはお互い助け合い感謝し、感謝される」というところが、等身大で感情移入できるのです。

■昔っぽい、突き放し感

このゲーム、ハッキリ言って、自分一人で攻略するのはメチャメチャ難しいです。
そもそも最初に何をすれば良いのか全然分からない。
少ないお金で買うものを間違えると、10分で詰む。
イベントの発生条件も、攻略本無しではなかなか厳しいものがあります。

僕も当時、最初から攻略本を見ながらやったと思います。
たぶん、何も無しでやってたら投げてたと思う。

でも今思えば、この難しさは、マリーの落ちこぼれっぷりを再現しているのかなと思えなくも無いですね。
攻略本見ながらやったら、良いエンディングにすぐに行けますけど、自分で攻略してバッドエンド的なものに到達するのも、マリーらしいかなと。

■最初だからこその良さ

たしか第2作の「エリーのアトリエ」もプレーしたと思うけど、あまり印象に残っていない。
そしてそれ以降はやっていないですね。

最初だからこその良さとして、前述した突き放し感からくる難しさと、萌え的なイラストで有るものの、そっち方面に振り切っている訳でもない素朴さが良かったのだと思う。

「主人公の女の子、かわいいな~、萌え~(←古い)」みたいな感じになり始めてしまうとゲーム性の魅力というところから外れてしまうと思うのですよね。
マリーはかわいいって言うか、がんばってるね、と応援したくなる感じだったから。

新しいシリーズだったので、その辺の練り込みが中途半端だったのかもしれないけど、それが逆に良かったと思っています。

■スマホ版は往年のファンのためのもの

今回スマホ版が出て懐かしくて速攻買いましたけど、これは思い入れが無い人にはきついですね。
まず操作性が恐ろしく悪い。
絵もそれほどキレイでも無い。
さらに、これはオリジナル通りだけれども、ゲームは難しいし、声優は使い回し。
新しく始める人の為のものでは無いです。

とはいえ僕はもう、懐かしくて、昔のアトリエにもう一度出会えたことで満足です。

では、早速、シアと近くの森に採集にいって死んできます!(^_^;

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