鹿島対清水、広島対横浜での、ゴールラインを割っているシュート

Jリーグジャッジリプレイ(2019年の第10回)でも扱われましたが、ちょうど同じタイミングで2試合において、ゴールラインを割ってからキーパーが書き出したと思われるシュートについて、ノーゴールとなるということがありました。

この2つ、ビデオで見返せば明らかなのですが、実際にはゴールを割っています。
なので、ノーゴールの判定は、ジャッジとしては間違いになります。

■ミスジャッジは困る!?

もちろんミスジャッジは無いほうが良いですね。

この得点がきちんと認められていたら結果がどうなっていたかということは一概には言えないけど、得点ですので勝敗に影響していると考えるのが妥当でしょうね。

ただ大事なのは、審判だって間違えたくて間違えているわけではありません。
「プロなんだからそんな言い訳するなよ!」というご意見もあるかもしれませんが、このミスジャッジは、審判が判定する仕組みに元々内在していて、正しく手順を踏むことで生まれてしまう欠陥といっても良いものなのです。


■副審はオフサイドラインに位置する必要がある

副審が目を光らせなくてはいけないのは、オフサイドライン、タッチライン、ゴールライン、それと主審が見逃したと思われる事象をアドバイスすること、などです。

副審の立ち位置はオフサイドラインが基本になります。
試合中に副審に注目してみてください。
オフサイドラインに合わせて上下動しているのが分かるはずです。

今回のミスを防ぐにはゴールラインに位置してボールがラインを超えたかどうかを見極める必要があるのですが、あのスピードでボールがゴールに向かっているときに、オフサイドラインに位置している副審が完璧にボールについてゴールラインまで監視するということは、物理的に不可能というレベルです。

さらに仮に追いつけたとしても、ジャッジリプレイ内でも言及されている通り、キーパーがブラインドになるため、確信をもってラインを割った瞬間が見えるかどうか疑問です。
ついでに言うと、副審の位置から反対側のゴールポストまでは約40メートルも距離があります。

ボールのサイズは約70cm。
厳しいですね。

■審判は見たものからしか判定できない

審判団は自分たちが実際に見たものをベースに判定します。

当たり前のことなのですが、「選手たちが入ったっていってるから、じゃあゴールね」なんて判定はできないわけです。
そんなことをやり始めたら、大荒れで収拾がつかなくなっちゃいます。

このゴールの判定は、主審の角度からは見えません。
副審がゴールラインに立っていれば見える可能性が高いですが、前述のとおり人間業を超えた瞬間移動が必要です。

もちろん、たぶん審判もこの判定が微妙だということは分かっています。
「ゴールラインを割っているかもしれないな」と。
しかし「確実に割っている、割っているところが見えた」という状態でないとゴールという判定はできないんです。

例えば50cmくらい中に入っていれば、多少角度が悪くても、入っていると判定できるかもしれません。
20cmくらいとかだったらまず無理でしょうね。
スピードも速いので。

■このミスは避けられない

以上のことから、いわゆる4審制(主審1人、副審2人、第4の審判員1人)では、ほとんど絶対ゴールと判定できないプレーであると言えます。

この問題は、実は審判の人たちは前々から気づいていて、例えばチャンピオンズリーグで見られるような「追加副審」という制度を導入したりしています。
これはゴールラインを専門に見る副審なので、瞬間移動できない分を人数で補うという形です。
ゴールラインテクノロジー、またはVARでも解決できる問題かと思います。

問題は、いずれの方法をとるにせよ、お金もかかれば人も必要ということ。
プロの試合のジャッジに使うわけですから、信頼性も担保しなくちゃいけないので、結構大変なことなんですよね。

日本の金満クラブのオーナーである●木谷とかが、早くVAR入れろみたいなことをわめいていますが、じゃああんたが金出して人もつれて来いよと言いたい。

ただやはり世の中の流れとして、テレビで明らかに間違いと分かってしまう疑惑の判定は減らしたいというのがありますし、JリーグはVARで解決する方向に行くと思われます。

■まとめ


もっとJリーグ人気が高まって、みんなが落とすお金が増えたらVARも入れられれてハッピーかもね!(笑)

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