2019-20競技規則の変更点

IFABのページに3月12日からずっと、変更点のドキュメントが上がっていたのですね、気づきませんでした。
競技規則全体ももうすぐ販売開始になるようで、表紙の画像も上がっていて、IFABのショッピングサイトではComing Soonになっています。

変更点はこんな感じ。
(個人の翻訳ですので、実際の運用の際は、最終的にJFAから案内される日本語版を参照のこと。カッコ内は補足)
とあるサッカーの記事サイトの翻訳が、あきらかに日本語版競技規則の文言を知らない訳だったので、ちょっとイラっときて自分で訳してみました。
サマリー部分だけで不明瞭な部分は、実際の条文の変更箇所も参照して補足しています。


●第3条 競技者
主審から別に指示されない限り、交代する競技者は最も近いタッチラインからフィールドの外に出なければならない

●第4条 競技者の用具
アンダーシャツは、シャツの袖と全く同じであれば、複数の色・柄が許可される
(シャツの袖と全く同じ、延長のようになっていることが条件です)

●第5条 主審
主審はリスタートが行われた後に、リスタートの決定を変更することはできないが、得ての状況において、遡ってイエローカード・レッドカードを提示できる
(VARの導入に応じた変更と思われます。いったんリスタートした後でVARの助言などにより、遡って警告や退場を行うことができることが明文化されました)

主審がVARのレビューエリアに行くか、または、ハーフ終了時に選手を呼び戻すためにフィールドを離れても、決定は変更することができる。
(これは前半・後半終了時についての変更のようです。前半・後半終了時にフィールドをいったん離れたとしても、終了前に起こった事象について判定を変えることができると規定されました)

 チーム役員の不正に対してイエローカード・レッドカードが提示できる。もし誰が違反したかを特定できなかった場合は、テクニカルエリアの上級のコーチ(一番立場が上のもの)がカードを受ける。

PKが与えられた場合、反則を受けた選手は診断と治療を受け、フィールドにとどまり、キッカーとなることができる。(ケガにより一時的にフィールドの外に出ることでキッカーになれない状況が是正されました)

●第7条 試合時間
飲水ブレイク(=1分を超えない)とクーリングブレイク(90秒から3分)の明確化。

●第8条 プレーの開始および再開
コイントスに勝ったチームはキックオフを選択してもよい。

ドロップボール
ペナルティエリアでプレーが停止した場合、ボールはキーパーに落とされる。
もしくは(それ以外の場合は)、最後にボールが触られた場所で、最後に触った側の1人の競技者に対して渡される。
他の競技者は4メートル以上離れなければいけない。

●第9条 ボールインプレーおよびボールアウトオブプレー
ボールが主審やそのほかの審判団にあたり、ゴールインした場合、ボールの支配がうつった場合、攻撃がスタートした場合にはドロップボールとなる。

●第10条 試合結果の決定
ゴールキーパーは、ボールを投げて相手ゴールにいれ、得点することができない。

●第12条 ファウルと不正行為
ハンドリングに関する文章がより明確に、一貫性を持つように書き換えられ、意図的ではないハンドがいつ罰せられるべきか、罰せられないべきかについて明確になった。
(意図的でなくても得点につながったり、つながりかねない場合は「ハンド」、意図的に体のシルエットを大きくしたり肩よりも上に上がっている場合などは「ハンドとされる可能性がある」などとなっています)

キーパーがペナルティエリア内で、ボールを手で扱えないときに扱ってしまった場合には、間接フリーキックがあたえられるが、懲戒(=警告・退場)は与えられない。
(バックパスや、一度手を離したボールに再度触ってしまった場合です)

スローインや意図的なバックパスの後、キーパーがキックを失敗したり、プレーに戻そうとしてキックした後、キーパーはボールを手で扱うことができる
(キックを失敗した、あるいは実際にキックしたがもう一度キーパーが自分で触ることになったなどの場合は、意図的に手で扱おうとしたという制限から外れるという解釈で、再び手で扱ってもOKとなりました)

反則を犯していないチームがクイックリスタートを行い、得点の機会を作っている場合には、主審はイエローカード・レッドカードの提示を次の停止まで遅らせることができる

ゴールが取り消された場合でも、不当なゴールパフォーマンスにたいするイエローカードは残る。

チーム役員に対する、注意・イエローカード・レッドカードの項目を一覧化。
(どのような行為が、どのような判定の対象となるかが一覧化されました。しかもかなり多い・・・)

言葉による違反はすべて間接フリーキックで罰せられる

物を蹴る行為は、物を投げる行為と同様に罰せられる

●第13条 フリーキック
間接フリーキックが蹴られた後、直接得点にならないことが明らかであれば主審はシグナルをやめることができる。
(間接フリーキックの時には手を挙げますが、それを早めに下げてOKとなりました)

守備側のフリーキックの時、ボールは蹴られて明らかに動いたときインプレーとなる。
ボールがペナルティエリアを出る必要はない。

守備側の3人以上の壁がある場合、攻撃側の競技者は1メートル以上離れなければならない。近づいた場合は間接フリーキックが与えられる。

●第14条 ペナルティーキック
ペナルティーキックのとき、ゴールポスト、クロスバーおよびネットは動かしてはいけない。ゴールキーパーがそれらに触ることも許されない。

ペナルティーキックが蹴られるとき、キーパーは少なくとも片方の足がラインに触っているか、(ジャンプしている場合は)ラインの(延長線上の)中になければならない。 ラインの後ろに立つことはできない。

主審がキックの合図をしたが、まだ蹴られる前に反則が起きた場合、イエローカード・レッドカードが提示された後に蹴られる。

●第15条 スローイン
スローインの際は、相手競技者はタッチライン上のスローインがされる地点から、2m離れていなければならない。それはたとえスロワーが線から下がっていたとしても同様である。
(線上のポイントよりも後ろでスローするような状況の場合でも、スロワーから2メートルではなく、線上のポイントから2mということが明確にされました)

●第16条 ゴールキック
ゴールキックの時、ボールは蹴られて明らかに動いたときインプレーとなる。
ボールがペナルティエリアを出る必要はない。

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