ビデオアシスタントレフェリー

ロシアワールドカップで導入されている、ビデオアシスタントレフェリー。

これ、制度自体は数年前から少しずつ始まっているのですが、やっとちょっとこなれてきた感じがあります。
最初は審判も不慣れだったし、客も選手もあまりよく認識していなかったので、何が起こっているか分からない状態でしたが、やっと知れ渡ってきたので以前よりはスムーズになりました。

■ワールドカップ史上最多数のPK

およそ半分の試合が終わった時点において、ペナルティーキックは19回行われたそうです。
これは今まで最高だった18回を既に超えています。
しかも、大会の半分の期間で・・・。

これは確実にビデオアシスタントレフェリー効果で、今までであれば見逃されていたファウルがとられているということ。
PKの多さというより、見逃されていたファウルの多さの方に驚きますよね。

ワールドカップで笛を吹くような超一流の審判がどうなのかは分かりませんが、ペナルティーエリアの中のファウルは「とりにくい」という心理が少なからず働くように思います。
他の場所のファウルと違って、PKをとると得点に直結することが多いため、判定に慎重になるのです。

そういう心理から甘くなりがちだったペナルティーエリアでの判定が、ビデオアシスタントレフェリーのサポートによりよりやりやすくなった点は、選手にも審判にも良い点です。

■試合の流れが止まる

しかしやはり、サッカーというスピードのはやいスポーツでの問題は、試合の流れが止まってしまうこと。
主審が見落としてからビデオアシスタントレフェリーから連絡が入るまでの間に試合が進んでしまいます。
遅れてPKの判定になった場合には、その間のプレーが無かったことになるわけです。
今のところその無かったことになる時間帯に決定的なプレーは起こっていないようですけど、その間に別の得点があるとか、深刻な別のファウルがあった場合などは物議を醸すと思われます。

ビデオアシスタントレフェリーからの連絡がほぼタイムラグ無く行われれば良いのですが、どうやらそちらでも見返して確認している場合があるようで、ちょっと時間がかかっていることがあるのは要改善ですね。

■全ての試合で導入されるのか

例えば来シーズンからすぐにJリーグに導入される、とかは無いと思います。
設備の問題もありますので。
今回のワールドカップでも、ビデオアシスタントレフェリーは各スタジアムでは無く、モスクワの専用の部屋で行っているようです。

ワールドカップほどしっかりした設備は難しいとしても、各スタジアムに専用の設備を作るのは費用やスペースの問題もあり、すぐには行われないでしょうね。

■良いのか悪いのか

まとめとして、これって良いの?悪いの?ってところで言うと、判定が正確になるという点においては良いモノです。
選手は生活かけてサッカーしていますので、誤審が減るのは歓迎ではないでしょうか。

ただ、サッカーファンとしては、マラドーナの神の手、みたいな語りぐさとなるシーンが無くなってしまうと言うのは寂しいような気がしています。

でも、こういうテクノロジーが導入されていくのは時代の流れでしょうね。

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