レビュー:TOEIC 読解特急5 ダブルパッセージ編
TOEICのPart7のうち、ダブルパッセージと呼ばれる2つの文章を読んで答える形式に特化した問題集です。
Part7は、シングルパッセージ、ダブルパッセージ、トリプルパッセージと3つの形式がありまして、だいたい文章が多くなるほど時間もかかりますしむずかしいと言えるので、トリプルパッセージが一般的には最難関かと思われます。
本書はダブルパッセージなのでそれよりは取り組みやすいですが、ダブルとトリプルは複数の文章の関連性を考えながら解く必要があるという点で共通しており、問題集としては手頃かなと思います。
■ダブルパッセージに慣れる!
言ってもTOEICですから、ダブルパッセージだからと言って、一つ一つの文自体がシングルよりむずかしいというわけではないです。文章が複数になると難しいという理由は2つあると思っていて、1つは前述の通り関連線を考えなければ行けない点、もう1つはタダの気のせい。(笑)
実際、慣れて、落ち着いて読めば解ける、と僕は思います。
そう考えると、とにかくダブルパッセージを解きまくって慣れる、恐怖心をなくすには最適な問題集でしょう。
■取り組みやすい分量
問題文が3つになると、このくらいのサイズの本ではページを行ったり来たりしなくてはいけなくなり、学習しづらいと思います。新書サイズではダブルパッセージが良いところなのかなと思いますね。
■スピードを簡単に計算できる仕組み
全ての問題に、語数が表示されています。その上、本の冒頭に計算表が掲載されていて、問題を解くときに時間を計っていれば、割り算などする必要なく、スピードを割り出すことが出来ます。
なにげにこれは便利。
計算機があれば自分で計算してもすぐですけど、こっちの方が早いし、余計なことに気を遣わなくて良いのは英語の勉強に集中できるのでありがたい配慮ですね。
スピードを記録する欄もありますので、本番を意識してスピードトレーニングをすることも出来ます。
ただ、個人的には学習においてはスピードよりも正確に解き、分からない単語はマークするなど、精度を意識した方が良いように思いますけどね。
単語力・文法力が付けばスピードは自ずと上がると思ってますので、正確に読めないのにスピードだけ意識しても事故ります。
■おびただしい数の語注
問題本文より語注に割かれているページ数の方が多いくらいの語注です。この語注があれば、ほぼ辞書無しで学習することが出来るはずです。
移動中の学習にはとても便利ですね。
また、当然ですけど、TOEICに頻出する単語がたくさん織り込まれていますので、分からなかった単語をチェックしていくとボキャブラリーも相当増えます。
■TOEICの点が伸び悩んでいる中上級者に最適
700点越えを目指すくらいの方から、上手く使えるのではないかと思っています。そこまで行っていない場合は、なかなかリーディングを全部終えるのはまだ難しいかもしれないので、ダブルパッセージに特化して練習するよりも、基本的な文法や単語をおさえて、一つ一つの文章を読む精度をあげる方が良いのではないかというのが僕の意見です。
そろそろ上級レベルかな?と思えるレベルに入ってくると、まずは全部を解ききることが大事。それにはPart7後半のダブル・トリプルパッセージの攻略が不可欠です。
本書は価格的にも手に取りやすい(821円!)ので、「文章1つなら行けるけど、複数はちょっと苦手意識がある」という方には絶対オススメです!
■蛇足
「Part7で時間が足りなくなる!」というのは、実はPart5で時間を使いすぎている場合が多いように思います。全体の時間配分を考えると、Part5は20分程度でこなしたいところというのが、よく言われていることです。
Part7は時間さえかけられれば、解きやすいので。
Part5のスピードアップにはこちらをオススメします。
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