レビュー:英検準1級 文で覚える単熟語 三訂版



旺文社の「文で覚える単熟語」シリーズの英検準1級レベルのものです。
長文の中に見出し語がちりばめられているタイプで、基本的には速読速聴・英単語と同様の使い方ができるものです。

■速読速聴・英単語シリーズとの違いは?

1つの英文につき、4ページ(見開き2つ分)が割かれており、最初の見開きが英文と訳、次の見開きが見出し語という構成です。
速読速聴シリーズは(おそらくすべて)見開きにすべてまとまっていて、見やすさで言うと速読速聴シリーズに分があります。

CDでは英文一つ一つにテーマに対する導入が付いています。
テーマに対する理解を深めるには役立ちますが、連続して学習したいときには邪魔ですので、本文のみのプレイリストを作るなど工夫する必要があります。

文章は(多分、英検らしく)速読速聴シリーズより高級な言い回しを使っている感じです。(もちろんそれぞれ色々なレベルが出ているシリーズですので比較する本に依りますが。)

CDの音の速さはゆっくりめに思います。一語一語聞き取りやすく、単語の学習を妨げません。
一方、リスニングの教材としてはテストレベルには良いかもしれませんが、リアルな英語を聞き取ろうと思うとちょっと方向が違うかなと。
あくまで教材的な発音だと思います。

■ボリューム

5つのテーマにそれぞれ16本の英文、一つ一つはそこそこ長いです。
また単語や文章がそれなりに難しく、ボリューム感はかなり感じますね。
時間をかけて学習する必要がありそうです。
ただ、CDは3枚付いていますが、多分それほど何度も聴かないであろう、説明が付いていますので、実際によく聞くのは全体の75%程かと思います。

■単語のレベル感

英検は久しく受けていないので英検の今の感覚は想像なのですが、語彙問題はいまだに鬼の難しさのようですので(笑)、それ以外の部分に対応したレベルなようです。
いってみれば、これで学習しても語彙問題に答えるのは難しそうですけど、まぁ、語彙問題はちょっと特殊なので。

TOEIC的に見ると完全にオーバースペックですね。
TOEICの役にはあまり立たないと思います。
とはいえ、TOEICを受ける人は、今後ニュース英語や洋書、海外の映画・ドラマなど幅広い英語の世界に飛び込もうという人が多いと思います。
そういう見方で言えば、本書の単語はとても役立つものです。
ここに出ている語彙を身に付けておけば、英文の中でたまに出会うちょっと難しいキーワードの多くが分かるようになるのではないでしょうか。

■文章の内容

文章の内容は、好き嫌いがあるのは仕方ないですね。
概ね興味が持てる内容だと思いますし、時事的なもの、ニュース等で良く話題になるものが多く、実用的です。
また、英検では1次・2次とも、本書で扱っているような内容の背景知識があると有効ですので、対策としては良いのでしょう。

■まとめ

日常会話やTOEICを受けてきた身からすれば、単語のレベルは高めに感じます。
しかしさらに上を目指そうという志があるならとても良いチョイスでは無いかと思います。
定評のある旺文社で、ボリューム感もあり、内容も悪くないので英検受験者以外にもおすすめできる一冊です。


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