川崎フロンターレが優勝に向けて貫いた3つの川崎スタイル

川崎フロンターレといえば、地域密着度で他の追従を許さない希有なクラブ。
多分、世界的に見ても、変わった方針で運営されているサッカーチームだと思います。

そんな川崎フロンターレが独自のスタイルとして貫いたものが、大きく3つあると思う。

●とにかく点を取りまくる超攻撃的サッカー
●地域貢献とチーム強化、2つに同時に取り組む姿勢
●ブーイングしないサポーター

 いずれも、「川崎は面白い取り組みをしている」と言われながらも同時に「だから優勝できない」という理由に挙げられてしまうものでした。

まず攻撃的サッカーについて。
川崎フロンターレといえば、 点は取るが守備が雑、という時代が長く続きました。
エンターテイメントとして、観ててやってて面白いサッカーをしようというのもあったのでしょうし、取られても取り返せば良いだけという気持ちもあったでしょう。
実際、たまには「守り切って勝とう」という意志を見せた試合もありましたが、そういう試合はだいたい落としてきました。

ここはやっぱり川崎イズムですので、攻撃こそ川崎サッカーというところを見失わなかったのは良かったですね。
今年、鬼木監督が攻撃と守備を両立させたことが優勝に繋がったと言えると思います。


次に地域貢献。
伝説的とも言える天野氏を筆頭に、サッカーは勝てないときもあるがそれでもスタジアムを楽しめるようにするという理念の元、型破りなイベントを行ってきました。
「ファン感(ファン感謝祭)の準備に気合いを入れすぎてサッカーがおろそかになって優勝できないのでは!?」という疑問が、身内からも出たり(笑)、選手やスタッフは大変なこともあったはずですが、ファンを楽しませることをトータルで考えてきたのがフロンターレです。
今年も最終節までイベント満載で走り続け、かつサッカーの成績も残したことは大きいのです。


最後にサポーター。
前述の地域貢献の成果もあって、ファミリーも多いフロンターレの客層の影響もあるでしょう。負けを食らっても選手に詰め寄って怒りをぶちまけたり、試合後にブーイングで迎えるようなことがありません。
あの埼スタでのルヴァン決勝セレッソ戦ですら、終わった後は「フロンターレ!フロンターレ!」と応援で選手を迎えたのですから筋金入りです。
これも、鹿島や浦和など、激しいサポーターの付いているチームには「ぬるい」と言われ続けていた点です。
ぬるいから勝てないのだ、時には選手に厳しい言葉をかけるのも愛情だ、と。

しかしフロンターレのサポーターは最後まで100%の応援で選手を支えました。
良くなかったときは、選手が一番分かってます。
フロンターレのサポーターはそんなときに真の意味でサポートをしていたと思います。


これらすべて、優勝前は「これで良い!」と言い切れることではありませんでした。
関係者も、もしかしたら本当に変えていかないとダメなのか?と心が折れかけたときもあるはずです。
でも今なら言えますよね、「これで良かった、これが川崎だ」と。

自分のスタイルで優勝したフロンターレを誇りに思います。

P.S.
フロンターレのホームでは、試合前に必ずアウェイのサポーターに「お越しいただきありがとうございます!」というアナウンスが入り、サポーターが拍手します。
こんなの他のチームでみたことありませんが、これがフロンターレ流です!

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