忘却の川(スタートレックディスカバリー レビュー / EP1-6)

スタートレックディスカバリーシーズン1のエピソード6。
今回はある意味スタートレックらしい、スピリチュアルな感じの話です。(笑)
※いつの間にかタイトルが「記憶の蓋」から「忘却の川」に変わったようです。

(以下、ネタバレ含む)

■あらすじ
バルカン人のサレクは、極秘任務に出発する。
しかし同行したバルカン人がサレクと敵対する勢力で自爆テロによる妨害にあう。
サレクがひそかにクリンゴン内の反乱分子と和平交渉を行おうとしたことに対する攻撃だった。

ディスカバリーでは、バーナムはティリーのトレーニングに付き合い、アッシュ・タイラーと出会うなど徐々に溶け込み始めていた。
しかし、タイラーとあいさつを交わしていた時、バーナムは突然の苦痛に倒れてしまう。

バーナム自身には身体的な異常はないが、サレクとの精神的なつながりのため、サレクの苦痛を感じ取っていたのだった。
サレクの危機をしったバーナムはロルカ艦長に救出を進言し了承される。

サレクの乗った船は星雲内で難破しており、詳細な位置がわからない。
外部からのセンサースキャンでは数か月を要してしまうため、バーナムに神経増強剤を使い、サレクを覚醒させて救難信号を出させるという奇策を使うことになった。

バーナムはサレクの精神と同期しようとするが、サレクに拒否されてしまう。
昏睡状態のサレクのなかでは、バーナムの卒業式の思い出が繰り返されていた。
サレクはバルカン人と人間の間を取り持とうと考えてバーナムをバルカンの調査団に入れたいと考えていたが、実の息子でハーフであるスポックと、バーナム、どちらか一方を選ぶように宣告され、スポックを選んだ過去に対する複雑な思いがあった。

バーナムは、自分の力が足りずに調査団に入れなかったと思っていたが真実を知ることになる。

バーナムは真実を受け入れ、サレクは覚醒し、救難信号をキャッチしたディスカバリーは無事サレクを助け出した。

重症のサレクは交渉の場に行けず、コーンウェル提督が代役となった。
しかし交渉は罠だった。
コーンウェル提督はクリンゴンに拉致されてしまった。


■感想
バルカン人には、相手と精神を融合させるという特技があります。
これはかなり高度な技で、ヒューマノイドではなく、精神構造が違い過ぎて言葉によるコミュニケーションがとれなかったり、果てはエネルギー体のような生物とでも融合して相互理解が図れます。

サレクはみなしごとなったバーナムを預かりバルカン人の学校に入れて育てていました。
バルカン人の中にはそういうサレクの行動を良く思わない集団がいて、バーナムの学校は襲撃にあい、バーナム自身も重傷を負いました。
そのときサレクは応急処置なのでしょうか、この精神融合を使ったようです。
その名残でバーナムの中にはサレクの「カトラ」というものが残っていて、このため恐ろしく距離が離れていても対話が可能です。
「カトラ」というのは精神のかけらみたいな感じでしょうか。

この辺がね、スタートレックのSFっぽくないところですが、50年前のシリーズ開始当初、科学と超能力がちょっとごっちゃになっていた部分の名残かなという感じです。
ただ、これをいれることで逆にスタートレックっぽいとも言えますね。

サレクの精神世界ではバーナムに対する申し訳ない思いのようなものが描かれます。
バルカン人は感情を極度に抑制している種族ですので、バーナムとスポックのどちらかを選ぶにあたっては、スポックを選んだ論理的な理由があると思われます。(まずはハーフのスポックから始めるのがだとうとかそんな感じ?)
しかし、抑制しているといっても心の奥には感情が無いわけではないので、後悔や謝罪、失望などが感じられるのが今回のこの部分のいいところです。

最後のシーンでは、バーナムは「サレクの期待に応えてバルカン人らしく振舞う」ことに感じていた限界をみとめ、人間らしさを受け入れることにしたようです。
今までとは表情も違っていますね。

さて、サレクの息子のスポックについて。
ディスカバリーからみた人にはなじみがないですが、スタートレック世界では1・2を争う有名人。
バルカン人の父サレクと人間の母アマンダとのハーフで、USSエンタープライズの副長として活躍します。

今回の目玉はサレクの格闘術ですね。
感情的にならない静かな動きで、ちょっと太極拳っぽいです。
クリンゴンとは対照的ですね。

コメント