詳細レビュー:TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
2016年からの新形式に対応したTOEIC Part5対策用問題集を買いましたのでレビューいたします。
■■どんな本?
TOEICPart5は、単語の意味を根拠にこたえる「語彙問題」と、品詞などの形から答える「文法問題」に大きく分けられます。(両方の知識が要るものもありますけど)本書はそのうちの文法問題をターゲットにした問題集です。
正直言うと、文法問題って全体の点数に対する割合からしたら小さいんですよ。
問題数も少ないし。
しかしながら、「それなら他の対策をした方が良いんじゃない?」っていうのはちょっと違うんですね。
僕がそう考える理由は下記のとおり。
・文法の知識はPart5以外にも必要なので、Part5を題材に見直しておく必要がある。
・実はPart6の問題傾向も似ている(と思う)
・Part5の解答スピードを上げることで、Part7の解答時間を多くとれる
だいたいこんなところ。
それと、意外と感覚的に英語を理解している人は、点数が高くても文法があいまいという場合もあったりして、そういう人にも向いていますね。
本書は文法問題の出題パターンを7つに分類し、TOEICでの出題数にだいたい応じたボリュームの練習問題で特訓するというもの。
■■文法の解説部分は必要最低限
まず最初にテーマとなる文法項目の解説があります。割と基本的なところから書いてあるものの、あくまでTOEICの問題を解くというゴールに向かっているので、一般的な文法書とは書き方が違いますね。
余計なところは省いてある印象です。
これはこれで効率的ですが、本当に文法が全く分からない人には向かないかもしれません。
ある程度の知識はあるものの頭の中で整理しきれていない場合には非常に威力を発揮します。
前書きで、「TOEIC500点以上の人が対象」とあるとおり、それよりも低い場合はもっと別のアプローチで文法しっかりやってね、ということだと思います。
■■問題の解説は詳しいが、解答に関係のないところは説明なし
問題部分の解説は、なぜその選択肢が正解か不正解かを単純明快に説明してありますので、とても分かりやすくスッキリします。こういうところでモヤっとしないのは参考書の信頼度としては重要ですね。
しかし解答に関係のない箇所、たとえば空欄の個所から遠いところに関係代名詞があって意味がちょっと取りにくかったりしても、解説的にはスルーです。
問題を解くのに必要のないところは基本、説明なし。
まぁ、あまりいろいろ書きすぎると分かりにくくなるでしょうが、ダウンロード音声などでシャドウイングしたり、ほかの練習に応用するにあたっては、解答に関わらない部分でも重要な文法は解説してほしかったなという気持ちはあります。
そういう意味でも、やはり、その程度の文法は解説されなくてもわかる、あくまで解答に関わる文法の運用方法を研ぎ澄ますためのもの、と捉えるべきなのでしょうか。
■■重要な単語も一緒に身につく
文章の中にはうまく自然にTOEIC頻出単語を混ぜている感じです。本書の問題は文法なので単語の意味はうろ覚えでも問題は解けてしまいますが、復習のときに意味をチェックすることで他のパートも含めた語彙の対策にもなりますので、一石二鳥ですね。
■■音声ダウンロードは1問1ファイル
なんと、全問分なので1049ファイルに分かれています。(笑)1ファイルは10秒程度、正解の選択肢が入った状態の英文が読まれており、日本語はありません。
スピードは早くないです。
シャドウイング、ディクテーションなどいろいろ活用できますので、うまく使えばおまけとしては超豪華。
単語の復習にも使えますね。
■■どんな人に向いているか
・文法の知識はある程度あるがあいまい
→あいまいな文法知識が整理されて解答精度と速度がアップ
・リスニングよりリーディングの点数が低い
→リーディングの苦手意識を克服
・1000問やる気合いがある(笑)
→正直1000問もやらなくてもスキルは身につくので、気合は必要
■■どんな人に向いていないか
・文法の知識がほぼない
→本当に文法が苦手な場合は別の入門書がおすすめ
・リーディングよりリスニングの方が点数が低い
→リスニングを先に対策する方がよさそう
・短時間で得点をあげたい
→1000問は時間がかかり過ぎる
ということで、いい本ではありますが、相性はありますね。
できれば書店で手に取ってみてみたほうが良いかと思います。
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