NetflixオリジナルのSense 8、Get Downが打ち切りになった理由は?

Netflixはオリジナルドラマシリーズの製作にメチャメチャ投資していますが、ここに来て一部視聴者をガッカリさせる発表がありました。
それは、「Sense 8」と「Get Down」の製作打ち切り。
Sense 8はシーズン2、Get Downに至ってはシーズン1(パート1・2に分かれている)で終了と言うことになりました。

しかもCEOのリード・ヘイスティングス氏いわく、今後もどんどん打ち切りをしていくべき、とのことです。

理由の1つは多額の制作費にあるようです。
Get Downは1エピソードあたり1600万ドル、Sense 8は900万ドルだそうで。
Get Downは全11エピソードなので1億7600万ドル、Sense 8は全23エピソードで2億700万ドルがかかった計算ですね。
Netflixは新作の制作費として年間60億ドル以上の巨額の資金を投資していますが、まぁ、そりゃあ賢く使った方が良いに決まっているわけで。
ライバルのAmazonがオリジナルコンテンツ制作費に40億ドル未満しかかけていないのにNetflixに対して脅威になっていることを考えると、費用対効果も突き詰めていきたいというところなのでしょう。

Netflixでは従来のテレビ放送と違って視聴率が出ませんので、それぞれのドラマが実際どのくらい観られているかユーザー側には分かりません。
Netflix側も、視聴率に左右されないオリジナルコンテンツでいくという方針でしたのでその辺の情報はあえて出していなかったのでしょう。
しかし、今回打ち切りになった作品は、視聴率的な意味でもいまいちふるわなかったようです。

ヘイスティングス氏は制作陣に「もっとリスクを負うべき」と伝えているのだとか。
面白くなければ打ち切られるから、淘汰されて面白いものが残る、というのは従来の放送でもあった当然の原理ではありますね。
とはいえ、一挙配信ならではの、序盤が面白くなくてもトータルで面白くなると制作側が思える作品は配信していくというNetflixのスタンスもあったはず。
バランスの取り方が今後注目されるところです。


個人的には視聴率至上主義な従来のテレビ放送には未来が無いと思っています。
とはいえ何が面白いかという判断基準の1つとして視聴率が有効であることは疑いがありません。
Netflixのようなストリーミング放送が従来の放送より圧倒的に優位な点は、視聴率以上にユーザーの反応をダイレクトに分析できること。
作品をどう観たか、ユーザーの操作を全てログとして取得できる強みがあります。
今後はそれらを元に、切るべきものは切っていくという方針でしょうが、つまらなくなってしまった地上波テレビのように単に視聴率だけを争うような方向にならないことを祈ります。

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