サバイバー 宿命の大統領(Netfloixオリジナルドラマ)レビュー
原題はDesignated Survivor、邦題は「サバイバー 宿命の大統領」です。
久々におもしろすぎて、1週間経たずに全10話を一気観しました。
なるべくネタバレしない範囲でレビューを書いてみます。
■■なにが宿命なの?
原題の「Designated Survivor」、このDesignatedという単語はちょっとマニアックですが、元々はDesign(デザイン)と仲間の単語です。「ある特定の目的のために指定された」というような意味で、例えば喫煙所なんかを「Designated Smoking Area(喫煙指定場所)」と言ったりします。
Survivorは生存者、あわせて「指定生存者」という単語は、ドラマ内の字幕でも出てきますが、閣僚など重要人物が一同に回する一般教書演説の際に、一人、離れた安全なところに待機して、何かあった場合に大統領権を引き継ぐ人だそうです。
通常は形式的な物でしょうが、ドラマなので、万が一が発生してしまう、というところから始まります。
ところが、キーファー・サザーランド演じる主人公のトム・カークマン、全く権力への執着が無い上に、新政府が誕生したら左遷される予定になっていました。
まぁ、そんな人物だから、形式的でほぼ無意味、かつ、一般教書演説の場に参加できない指定生存者に選ばれたとも言えますが。
宿命というと壮絶な感じもしますけど、要するに、予期せずいきなり大統領になっちゃった人の物語です。
■■しかもアメリカ中が大混乱
それも、ただ大統領になっただけでは無く、重大なテロ発生直後ですので大変です。更に言うと、副大統領も居ない、議員すらほぼ全滅、FBIやNSAなどのトップも一緒にテロで無くなっていてどこもかしこも大混乱っていうね。
もう、過酷以外のなにものでも無いです。
更なるテロの恐怖におびえつつ敵と戦いながらも、選挙で選ばれたわけでは無いちょっと頼りなさそうなカークマンは国民の支持もビミョー。
まわりがなかなか着いてきてくれないという四面楚歌状態が続きます。
■■見所はカークマンの誠実さ
どうしても、Netflixのアメリカ大統領ものということだと、ハウス・オブ・カードと比べてしまうのですが、フランク・アンダーウッドとは何もかも正反対。あちらは自ら深慮遠謀を巡らせて大統領になったのにたいし、望まないのに急に大統領になってしまったカークマンはとにかく何事にも誠実に対応しようとします。
チープな言い方をすれば、愛と正義で世界を救うみたいになっちゃいますけど、とにかく、純粋に応援できる好感度の高いヒーローであることは間違いないです。
■■これは大人の王道ファンタジー物
例えば昔のファミコンのRPGとかだったらね、オープニングで魔王がいきなり攻めてきて、戦士たちがみんなやられちゃって、「頼みの綱はお前だけだ。勇者よ」みたいな展開ですよ。ストーリーの骨子はそんなすごくベタで王道、でもその味付けが現代風かつ濃厚で、かつてそんなゲームで遊んでいた大人が素直に楽しめるドラマに仕上がっていると思います。
どうやらシーズン2までの予定っぽいので、続きが楽しみです。
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