小学校低学年のサッカー自主練メニューを考えてみる。

サッカー未経験な僕ですが、子どもが自主練するに当たって、どうするのが良いのか日々考えています。
というのは、まだ小さいせいもあって、勝手にやらせてると、ただボコボコ蹴るだけ。
また、それではおもしろみも上達もないので、すぐに飽きてしまいます。
毎日つきあってあげられれば良いのですが、仕事もありますのでそうもいきません。

そこで、まずメニュー作成の方針を設定してみます。

【自主練メニューの方針】
●楽しみながら続けられるようにする
●上達が実感できるようにする
●一人でも迷わずできるようにする

「楽しみながら続けられる」というのは大事です。
どんなに効果があっても練習が辛くては続きませんし、人は楽しいと感じている時に最も能率が上がります。(仕事だって、楽しい仕事ははかどりますし、良い仕事ができるはずです)
具体的な工夫は後述しますが、ちょっと難しいけど、練習するとできるようになる楽しみ、を一番重視しています。

「上達が実感できる」ことは、楽しみ、ひいては継続につながりますし、試合などでの自信にもつながります。
難しいけどできればすごい技があったとします。ただ、できるようになるには時間がかかると。そうすると、その技を習得するまでの間はなかなか上達が実感できません。
(実際、全く途中で上達が実感できない練習はないと思いますが、極端な例として。。。)
練習を階段にたとえると、一段が高すぎる場合には、細かく分割して途中途中に到達点を用意してあげるほうが良いと思います。

「一人でも迷わずできる」という点は前提ですが、これがなかなか難しい。
もうできる基礎練習を継続的にやらせるのはまだしも、新しくてまだできない動きは、まず覚えるところから始める必要がありますので、たくさん覚えるだけでも大変です。
練習メニューは主に文字で書くと思いますので、練習の名称とやるべき動きが一人で分かるようにすることが大事です。


【練習の目標(大きなテーマ)設定】
目標は本人と話し合っても良いですし、見ていて、この子にはこのスキルが足りないな、と思うところを大人が目標設定してあげても良いと思います。
本人にも一緒に考えさせた方が意識は高くなりますが、シュートはそこそこできるからドリブルをもっと上手くなって欲しいのに、「シュートがうまくなりたい!」と言われると、うーん、と考えてしまいます。
ただ、目標を押しつけたのでは練習が楽しくありません。
そこで、「じゃあ、シュートとドリブルを目標にしよう」と半々にするとか、あくまで表向きはシュートと言うことにしておいて(笑)、ドリブル練習要素を絡めるようにするとか、大人の工夫のしどころです。

例えば、マーカーを並べてカットドリブルした後シュートするというメニューにすれば、実質的にはドリブルの練習になるわけで。
子どもも大人もWin・Winというやつです。
うちの子はキーパー練習をしたがるのですが、低学年でキーパー練習はそんなにみっちりやらなくてもいいと思っているので、ラダーをしてからキャッチするなど、やらせたい練習とミックスしています。

また、目標は、「ドリブル」「周囲の状況の把握」「コーディネーション強化」みたいに、いくつか設定した方が、具体的なメニューを設定しやすいかもしれません。


【目標の細分化】
大きな目標はすぐに達成できるものではありません。
どのくらいの期間、その目標(テーマ)で練習するかは好みですが、仮に今月の目標として、ひと月程度とします。
これを具体的に練習に落としていくために、目標を細かく割り算します。
例えば、

●今月の目標(テーマ):ドリブル
・1週目の目標:ボールタッチの基本を再確認
・2週目の目標:ボールタッチ技術の向上
・3週目の目標:マーカーを置いての簡単なドリブル
・4週目の目標:ドリブル精度・スピードの向上

こんな感じです。
これはあくまでも具体的な練習メニューを当て込んでいくための、大人のための指標くらいの位置づけですので、子どもには明示するためのものではありませんが、達成感を得るためには「今週はこれが上達した!」と思わせたいので、ざっくり、「今週はボールタッチを中心にやってみようか」くらいの声かけはした方が良いと思います。


【練習のネタの選び方】
さて、これで骨組みができましたので、ここに目的に応じて練習をはめ込んでいきます。
練習をはめ込んでいくポイントとして僕が重視しているのは下記のような点です。

●難しすぎないこと
●子どもが覚えられること
●テーマに縛られすぎないこと
●できれば相乗効果のあること(関連性があること)

子どもは難しいことをやるのが大好きです。ただし、やる前は。実際やってみて難しすぎるとなげ出します。これはそういう性質だと思って、上手く利用するのが賢いでしょう。
なるべく節目節目だけでも練習を見てあげて、「難しいけど、難しすぎない。やればできないことはない」くらいのさじ加減を探します。
一説によると、80%くらい成功するもの、というのが良いようです。
練習するとだんだん上手くなっていくので(特に子どもははまると上達が早い!)、50~70%くらいできるメニューを指定すると、1週間続ければ80~90%程度できる=ほぼマスターしたということになるのではないでしょうか。
難易度設定はかなりキモで、上手くいけば楽しさや達成感が出ますし、上達も早いです。
また、自信を喪失させないため(自分は結構上手いと思わせるため)、簡単な練習の復習も織り交ぜると良いです。

子どもが覚えられる、というのがなかなか難しいです。
あまり複雑にしない、新しいものの数を増やさない、分かりやすい名前を付けるなどの工夫が必要です。
例えば5個の練習メニューを作るとして、そのうち3つは既にやったことがあるものにすれば覚えるのは2つですみます。
また、子どもが分からなくなった時に、本で確認できるようにしておく等の方法も有りでしょう。

テーマに縛られすぎない、と書きましたが、ガチガチにテーマ通りにやると、練習が偏りますし、子どもが好きでやりたい練習もあるかもしれません。
なので、あくまでテーマや目標は練習のコアとして考えますが、それ以外の練習も混ぜ込んで飽きが来ないようにします。

最後に相乗効果ですが、できれば、という程度かと思います。
例えば、ダブルタッチの練習をする前のウォームアップは、トータップにすると、動きが関連していて良いかなーとか。
僕もサッカー未経験なので、本当のところどうなのかは分かりませんが、この辺を意識して練習メニューを選んでいくという行為自体が、練習内容をじっくり吟味することになり、大事だと感じています。


【練習のネタを探す】
やっとここまで来ました。
ここまででいろいろと条件を絞ってきたので、後はそれに応じたメニューをはめ込むだけ、なのですが、適切なレベル・内容を選ぶためにはネタをいろいろ持っておく必要があります。
なので、ネタの探し方の話です。

●ネットで探す
練習方法を公開してくれているサイトがあります。

・サカイク
http://www.sakaiku.jp/training/

・ジュニアサッカーを応援しよう
http://jr-soccer.jp/category/column/yarari/
http://jr-soccer.jp/category/column/koba/


●YouTubeで探す
ネットとは別にしましたが、YouTubeでは特に個人の方が練習動画をいっぱい上げていたりします。
ドリブル、パス、フェイント、ボールマスタリー、ラダーなどで検索すると探せます。


●書籍・DVDで探す
上の2つと比べて有料ですが、練習方法が分からなくなった時に子どもが自分で見て確認するのには適している場合があります。

ジュニアサッカー クーバー・コーチング キッズのトレーニングメニュー集 ボールマスタリー34 クーバーコーチングの本です。
基本的なボールタッチ系の練習がたくさん載っていて、レベルに応じて選べます。
DVD付きは分かりやすいですが、字幕は漢字が多く、子どもだけでは読めないのが難点かな。
全部一人でできます。

トムさんの1v1テクニックス [DVD]
クーバーコーチングを日本に紹介したトムさんのDVD。
一人でできる練習と、パス・フェイントなど相方が必要な練習があります。
書籍はなくDVDのみですが、これの良いところはナレーションがしっかりしていて、子どもだけでみてもちゃんと理解できるところです。

トムさんのコーチング A to Z [DVD]
こちらはコーチ向けのDVDだということですが、難しい内容ではないので、サッカー未経験パパにも向いています。
子どもが一人でみるものではないので、大人が見てネタをストックするものです。
多くがパートナーの必要な練習なので自主練とは少しずれる気もしますが、週末などお子さんと一緒に練習できる場合には、これが役立ちます。

サッカーのコーディネーショントレーニング
これも大人向けの本です。
具体的なメニューもありますが、コーディネーショントレーニングがどういうものかをつかむためのものです。
ある程度基礎を理解しておけば、ラダーやミニハードルを使って、子どものレベルに合わせた練習を自分で考えることもできます。


【楽しさ・達成感の演出】
●欲張らずにまずはいくつかの基本を繰り返す。
毎日違う練習をするのも楽しいかもしれませんが、あまり欲張るとそれぞれの技能が上達せず、達成感が得られません。
例えばシザースをきっちりやりこんで、ある程度使えるようになってから次に進む方が、子どもが自分で、練習して上手くなったという気分をつかみやすいはずです。
ただ、全く同じものを毎日コツコツやるのは子どもには飽きが来て厳しいかもしれませんので、2日やったら1日違うのを挟むなど、メニューの構成で工夫してあげてください。

●一日の練習メニューは少なめにする。
たくさんやったら上手くなるのは子どもも分かっていますが、多すぎて終わらない、疲れすぎるなど挫折する理由になってしまう点にも配慮が必要です。
少なめに設定して置いて、余力がある日は好きな練習をさせるとか、別のおまけメニューを用意しておくとか、「終わらなかった」ではなく、「終わって、さらに別のもできちゃった!」というプラスの気持ちに持って行けるほうが良いと思います。

●一日の練習メニューは、難易度・好き嫌いの異なるものを混ぜる
難しい練習ばかりでは、体も頭も疲れます。簡単な練習ばかりでは効果が薄く、満足度が下がります。好き嫌いも同じこと。
ですので、簡単・普通・ちょっと難しい、それぞれのレベルの練習を混ぜてあげると、子どもは簡単なものでウォームアップして難しいものにトライするなど、自分で練習を続けられます。
難しいものを頑張って、手っ取り早く上手くなって欲しい!と思うのですが、そこはグッとこらえて、バランスをとるのが子どもに続けてもらうコツです。

●達成度を可視化する・プライズを用意する
僕がこどもの頃、歯磨きカレンダーというのがありました。歯を磨いたら色を塗るというものなんですけど、こういうのをサッカー練習でも作っています。
例えば、ドリブル練習10本やったらマル1つ付ける、とか。
シールを貼る、でも良いかもしれません。
これが貯まっていくのが結構楽しいみたいで、ただマルを付けるだけなのに、うちの子は楽しんでやってます。
ポイントは、練習のあとすぐマルが付けられるように、見えるところに出しておく(張っておく等)ことです。
それと、モノで釣るようなことはあまり好きではありませんが、うちでは、一定の練習量を達成したら、僕が自分で勝手に作ったサッカーカードを発行しています。(笑)
勝手にネットから有名選手の写真をひろってきて、それっぽく作っているだけですが、子どもは喜んでいます。
カードにしているのは意味が一応あります。

・練習をすることでそういったスター選手に近づいているという意識を持たせること
・選手の説明文を自分で自由にかけるので、間接的にプレーについて教えられること
・プロサッカーに興味をもたせ、テレビなどを見て一流のプレーに触れる機会を増やすこと

半分は自分が作りたいだけ、という趣味の問題でもありますけど。(笑)


【おまけ:有ったらやくだつ道具】
無くても良いけど、有ったら嬉しい道具についてです。

マーカーコーン
マーカーはいろいろ目印に使えるので、有ると良いアイテムNo.1です。
たくさん有った方が便利なので、どーんと40~50枚くらいのセットで買った方が安くて良いです。
高いモノの方が厚手でしっかりしていますが、別に安いので全然問題ないです。

ミニコーン
マーカーと違って高さがあるので、飛び越す動きなどにあると便利です。

ラダー
アジリティやコーディネーションの強化に効果があると言われています。
まあ、少なくとも下半身を中心とした筋力強化になるし、いろいろな動きができるようになっていくことが子どもには楽しいようです。
ウォームアップにも使えます。

ゴール
シュートやパスなど、ボールを蹴る目標として、ゴールがあると便利です。
というか、ゴールがあるだけで子どもはテンション上がります。(笑)
折りたためるものなら、近くの公園に持って行くなどもできて便利です。



長々と書いてしまいました。
あくまでサッカー未経験の僕個人の意見ではありますが、参考になれば幸いです。

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