イヤフォンの性能を引き出すというアプリ、Accudio Freeを試してみた。

基本的にイコライザってものに良い印象がなくて、なぜかというと、無調整のフラットな状態が一番良いのであって、変に味付けした音楽は邪道ではないかと思っていたからだ。

でもよく考えたら、iPhoneもイヤフォンも設計である程度音の味付けを元々行っているわけだし、アーティストが求めたのと同じ音響というのは、製作現場にお邪魔するかライブに行くか、とにかくチューニングしている現場でないと体験できないものだ。

そう思うと、ラーメンに好みで胡椒をかけるのと同じで、少しいじって好みに応じて聞くのもいいのではないかと考え始めた。

で、探してみると、結構音を簡単にいじれるアプリってのはあるもので。
どれが良いのか分からないので、無料で試せて、マイナビの記事で紹介されていたAccudioというのを入れてみた。

このアプリは有名どころのイヤフォンの特性をプロファイルとしてもっていて、イヤフォンに応じた音質調整ができるというのが特徴。
ただ、愛用のイヤフォンに合わせて能力を引き出すよ!といわれると、それはちょっと違うと気づいた。

例えば僕のイヤフォンはちょっと旧型になるがBoseIE2。
Boseらしく低音がずんずん響くイヤフォンだ。

Accudioで設定を行って聞いてみると、うん、確かに違う。
どう違うかというと、よく言えばクリア、悪く言えば低音が響かない。
思いっきり誤解を恐れず言うと、Boseの良さを消してるのだ。
どうやらイヤフォンごとの、どの音を強く出すか弱く出すかという特性をまずはフラットに戻す、ということらしい。

確かにね。
自分的に分かりやすいたとえで行くと、例えば写真の色調整をするときなんか、元々の写真の写りが悪いとどうにも限界がある。
ある程度明るすぎず、暗すぎず、色の階調が平均的だと素材としては使いやすく、そこから味付けがしやすい。

音もそういうこと。
まずフラットにしてから好みの味付けをするという発想は理解できる。
それなしで、「シアター」とか「ホール」とかいう効果を付けたとしても、結果がイヤフォンの特性によってかなり違ってしまうから、平均的に合格点を出すにはイヤフォンの特性を消す必要がある。

完全に否定しているわけではないのですよ。
これはこれでおもしろいアプローチだし、BoseIE2ってこんなきれいな音も出せるのかとちょっと感動もした。
だが、これはBoseIE2に失礼ではないだろうか!?という気もしてきた。
だって、低音が美しく響くことがBoseの目指している音作りじゃなかったのか!?

うん、まぁそういうわけで、気分によって使い分けるとおもしろいと思うけど、有料で買うという気にはまだなれないかなぁ~。

元々付属のイヤフォンを使っているけど、音に満足していない方には良いと思いますね。
高いイヤフォンに買い換える前にぜひ一度試してみるべき。

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