レビュー:EVOLUTION 生命の進化史(ソフトバンククリエイティブ)

「EVOLUTION 生命の進化史」という本がおもしろい。
海外で出版された大型本で、日本語版がソフトバンククリエイティブから出ている。
大きめの書店ではいくつか見かけたので、このサイズ・値段にしては結構売れている本なのかもしれない。



いい値段の本なので、まずは図書館で借りてみることにした。
手に取ってみて、その大きさと重さにびっくり。(笑) でかい、重い!
ぞんざいに扱うと本自身の重さで本が破損するレベル。(笑)
いやしかし、このズッシリ感、紙の本ならではですね。

中身のメインはきれいな絵。
生命誕生から人類の進化まで、時代ごとに丁寧に書き込まれた美しい絵で見せてくれます。図鑑でも一般的な見開きで一時代の生物相を描くという物です。
絵のタッチは悪くいえば古くさいけれど、変にCGじみたリアル偏重なものよりも暖かみがあるというか。絵本を見ているかのようです。

最近は技術が進んでますのでリアルな絵ってあふれてますけど、リアルな物が必ずしも芸術的とはいえないと思うんですよね。
その点この本は間違いなく芸術的だと思うし、こういう方が読者の想像力をかき立てるのではないかと思います。

そしてこの絵にはもう一工夫あって、これがすごいのですが、この時代ごとの絵は全部つながっているんです。
全時代をつなげると、ながーい絵巻物になるのですね。巻末に小さいですが、つながった状態の絵が目次として掲載されているのもおもしろいです。

一つ一つの絵を見るに当たって、正直つながっているかどうかなんてどうでも良いんですけど、本全体のコンセプトとしてはおもしろいですね。
生命の歴史はこうなんだぞ、という、作り手が見せたかった物が見えてくるようです。

比較的新しい本だということもあり、内容は古くないです。
が、図鑑ではなく生命進化の絵巻物なので、網羅的ではないし、出てきている生物の説明も詳しい物ではありません。
生物の説明をしていくというよりも、まず時代の説明があって、そのときにはこんなものがいた、という流れです。
説明は大人向け。言葉遣いも子どもを意識した物ではありません。
うちでは子どもが古生物が好きなので読んでくれとせがまれますが、読みながらうまいこと子どもの言葉に翻訳してあげないと理解はできません。
でも子どもだましではない本だからこそおもしろいようで、一時期寝る前に必ず読むほど好きでした。(4歳なのに・・・)

図書館で借りて、これは一家に一冊必携の本だ!と思ったので即注文しました。

確かに結構な価格ですが、きれいな大判の絵が満載なので内容に比べて高すぎるとは思えないですね。
夜中に酒飲みながら開いて、進化の歴史に想いを馳せたりしてます。(笑)

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