サッカーでファウルにのジャッジに納得しない人たち

サッカーで審判が「ファウル!」とジャッジしたとき、まぁだいたい誰かしら文句は言いますね。
なかなか全員が納得するということはありません。

選手、コーチ、実況、解説、サポーターなどなど、いろいろな人たちが色々なことをいいます。
僕自身、4級ではありますがすでに6年以上の審判経験があり、ルールに関しては一般の方よりは知識があります。
で、自分も判定を行ってきている立場から言えば、審判だってファウルを軽々しくとっているわけではありません。
自分たち審判団が見えた・知りえた情報を駆使して、最も妥当だと思われる判定をしています。

よく中東の笛だとか、うちのリーグは審判のレベルが低いだとか言われますけど、まぁ、基本的にちょっと騒ぎすぎかなと思う場合がほとんどすべて。

■ファウルに対する苦情の2大NGワード

よく言われるけれども僕がNGワードに分類しているものが2つあります。

(1)先にボールに触っていたからファウルではない
(2)わざとじゃないのに判定が厳しすぎる

これね。
これらを持ち出して文句を言っている人は基本的に説得力がゼロ。
なぜなら、先にボールに触っていても悪意が無くても、ルール上ファウルである行為をすればファウルだからです。

例えばタックル(いわゆるスライディング)があった場合、先にボールに触っていたとしてもそのあと不用意に相手の脚をひっかければファウルになる可能性が高いです。(状況にもよりますが)
ルールにあるのは「不用意に転ばせたらファウル」ということだけであって、先にボールに触っているかどうかは無関係なのです。

また、悪意があったかどうかについてですが、まぁ基本的に悪意を持ってファウルをするというのは、あまりないことです。
マンガの悪役じゃないんだから、「こいつの足を折る!」とかいってファウルするような選手ってあまり考えにくいでしょ。
というか、もしそんなのがいたらサッカー界からの追放を考えたいレベルだと思う。

もちろん、選手によっては損得判断から、わざとファウルをして止めるというプレーはあると認識しています。
でもそれは悪意を持って相手を痛めるようなこととは違いますね。
(個人的にはそれでもこの種のファウルの悪質度はかなり高いと思いますが)

■ファウルを取るのは選手を守るため

ファウル、とりわけ警告や退場などの重い処分がなされた場合には特に、審判への抗議の声が大きくなるものです。
しかし審判はルールに基づいて判定しているし、ルールは競技が過熱しすぎて選手に危険が及ばないように設計されています。

もちろん正当なチャレンジでも相手を痛めてしまうこともありますし、不当なチャレンジでもほとんど痛まないことだってありますし、結果として起こったことの大きさだけで判断するわけではないですね。

■競技規則を知らずに専門家ぶる人たちが問題

一般のサポーターは仕方ないと思ってます。
サッカーを見るのは好きでもルールを読んで理解するなんてことは、普通の人はしませんからね。

問題なのは実況・解説・記者といった発信者たち。
ほとんどがルールを正しく理解していません。
かれらが率先して「先にボールに触っていた」とかいうもんだからたちが悪いんですね。


とはいえ、こういう話って、サッカーファンたちが酒でも飲みながら楽しむために必要なものなのかなという気もしています。
ルールが完全に正しく理解され、適用されたら、話のタネがひとつ減ってしまうだけかもしれません。

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