VARでカウンター攻撃のゴールが取り消しに。

1819シーズンのイタリアセリエA第24節、SPAL対フィオレンティーナの試合において、VARでカウンターのゴールが取り消されるということが起こったそうです。

事のあらましはこんな感じ。

(1)フィオレンティーナの攻撃の際、フィオレンティーナの選手が相手陣内のペナルティーエリア内で倒されるが、この時点ではファウルと判定されず
(2)SPALのカウンター攻撃が成功し得点
(3)得点後、(1)の部分についてVARから連絡が入り主審が確認後、ファウルと認定。
 したがって(2)の部分の得点は認められず。

■何が議論になっているのか

SPALの得点が取り消されたことが議論をよんでいるようです。
まぁ分からんでもないところはありますけどね。
観客としてみていて、「得点だ!」と思ったものが無かったことになるわけですから、その場で「え~っ」と思うのは当然かもしれません。
しかし後で議論になるほどのものには僕には思えませんけどね。

■ファウルが起こった後のプレーはなかったことになる

今VARは何かと話題ですが、ちょっとそこは忘れて考えてみてほしいんです。
競技規則上、ファウルが発生した後のプレーは巻き戻して、ファウルが発生したところからリスタートするというのは当たり前のことです。

例えばオフサイドがあったけど、そのまま得点が決まった。
でも、旗が上がっいて主審がオフサイドとして巻き戻し、間接フリーキックでリスタートする、って当たり前ですよね。

また、ファウルがあってもアドバンテージを取る場合。
攻撃が続いていると主審が判断してアドバンテージをとったものの、すぐに主審の予想に反する展開になった場合は、アドバンテージを取り消してファウルを取り直すことがあります。
その場合も巻き戻してフリーキックになります。

■VARだと巻き戻る時間が長くなることに違和感がある場合がある

VARは主審一人の判断ではなく、VARから連絡が入って初めて止めて確認になります。
そのためこのように巻き戻る時間が長くなってしまう場合があるのですよね。
インプレーが続いた場合は、今回のように止めるタイミングが遅くなってしまいます。

ただ、違和感と議論はちょっと別の問題だと思っています。
つまり、今回の判定で巻き戻ったことに対して「ひどい」と主張している人にたいしては、僕は何がひどいのか聞きたいですね。

今回のVARは、見逃されていたファウルを拾ったもので、もちろん最終的に正しいルールが適用されました。
これがそのまま見過ごされてSPALの得点が認められる方が、ルール上はよっぽどひどい状態ですよね。

またタイミングにしてもこれが最速だと思います。
SPALのカウンター攻撃の途中で止めてビデオを確認することもできなくはないですが、いったん攻撃をやり切らせた方が良いでしょう。
なぜなら、ビデオ確認の結果ペナルティーエリアでのファウルがなかったという判断になればSPALの得点が認められるわけなので、その場合途中で止めてなくてよかったね、という話になりますよね。

■VARを目の敵にしない

要するに、これは正しいサッカーの姿、正しい競技規則の適用なのです。
今までと違うから、特にその判定で損をした(ように感じる)チームからすれば「なんだよ!」と思うかもしれません。
しかしルールは公平で、損をしたように思うのはたまたまであることを忘れないでほしいところです。

あ、あと、メディアが盛んに「このVARどうよ?」みたいな記事をたくさん書いてあおっているように思えますが、VARのおかげで疑惑の判定がなくなると、記事のネタ(=飯のタネ)が減るからじゃないかなと思っています。(笑)
まぁなので、この際みなさんが少しルールについて興味をもって、適当なことを書く・言う解説者や記者をスルー出来るようになればいいのではないでしょうか。

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