過去は序章(スタートレックディスカバリー レビュー / EP1-13)

スタートレックディスカバリー、シーズン1のエピソード13です。
ロルカが実は平行宇宙からきたロルカだったことが判明し、ディスカバリーがスタートレック的なのかどうかという議論も最初からやり直す必要が出てくるんじゃ無いかという展開。
いよいよロルカと皇帝の対決です。

(以下、ネタバレ含む)

■あらすじ
バーナムはディスカバリーとの交信を試みる。
USSディスカバリーのクルーは、ロルカが平行宇宙から来たロルカと入れ替わっていることを知る。
またスタメッツは、宮廷船が胞子のエネルギーを酷使しており、このままではすべての平行宇宙で生命が滅んでしまうことに気づく。
それを止めるには自殺行為にも思える作戦を実行する必要があったがUSSディスカバリーのクルーはサルーを中心に団結し、作戦を実行に移す。

ロルカは囚われていた仲間を救出し、ジョージャウを追い詰め、宮廷船を掌握。
かろうじて隠れたジョージャウはバーナムと再開し、バーナムとUSSディスカバリーの作戦に参加する。

バーナムとジョージャウは投降を装って皇帝の間に入り、ロルカたちとの戦闘の果てにシールドの解除に成功。
2人は直後にUSSディスカバリーに回収され、胞子のオーブは破壊された。

破壊のエネルギーを利用して自分たちの世界に戻ったUSSディスカバリーだが、そこでは出発時より9ヵ月後で、連邦がクリンゴンに敗戦していた。
USSディスカバリーに、コーンウェル提督とサレクが乗り込んできた。

■感想
まず、先週から今週にかけてロルカの正体が判明したことは大事件ですね。

ディスカバリーはスタートレックらしくない展開のオンパレードでした。
しかしここで、平行宇宙からきたロルカのせいだったとすることで、急に今までのスタートレックらしさを取り戻した感じです。

サルーをはじめ艦隊士官はやはり優秀だったし、団結もみられた。
バーナムはたとえ敵だったとしても、ロルカに対し「最初から相談してくれれば協力した」という艦隊の基本理念を口にした。
まさにこのエピソードのタイトル通り、「過去は序章」であって、エピソード13にしてやっとディスカバリーはスタートレックになったという感じです。

非常にスッキリしましたね。

ちなみに、ロルカが平行宇宙出身である証拠というのは、最初の方のエピソードから少しずつ盛り込まれていたそうです。
例えば、

・光に弱い
・食事(ケルピアンの触覚に似たものを好む)
・コーンウェルとの過去の記憶が無いそぶりを見せる
・拷問の傷跡がある
・コーンウェルに精神的におかしいといわれる

など。
ちょっと、落ち着いたらもう一度観てみないとですね。

さて、胞子ドライブ。
こちらの世界のスタメッツも胞子の利用を研究していました。
現実世界のスタメッツは、胞子からエネルギーを取り出すとき、当然取り出しすぎないように気をつけています。
しかし、平行宇宙のスタメッツはそんなこと気にしないんですね。
胞子網に深刻なダメージを与えつつあることをしりながらも、取れるだけとっていたようです。
このままだと胞子で繋がった平行宇宙がすべてダメになるらしく、ディスカバリーはそれを阻止しつつ、その時に出たエネルギーを利用して元の宇宙に帰るという一石二鳥の作戦を実行したわけです。

この辺はちょっとぶっ飛んでいるとは言え、SF的に面白いですね。

僕がスタートレックで良いと思うところの1つは、すぐに「これが唯一の方法」とならないところ。
チープなプロットだと、すぐに「これしか方法が無い」となってしまうのですが、スタートレックでは常に別の選択肢を検討し、上官が決断します。
今回の作戦は最初は無理なものに思えたけど、ブリッジクルーが少しずつ智恵を出し合い、最終的にキャプテンがGOするという展開は非常にスタートレック的です。

さて、平行宇宙に続きタイムトラベルと、まだまだメインディッシュが続きそうです。

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