伝説の時空へ(スタートレックディープスペースナイン レビュー / EP5-6)

スタートレックDS9シーズン5のエピソード6です。

今回の趣向はかなり特殊で、初代スタートレック(宇宙大作戦)の時代にシスコたちが行くというものですが、映像も当時のものをベースに合成しており、かなり楽しい作りになっています。

(以下、ネタバレ含む)

■あらすじ
カーデシア政府から「時空のオーブ」を返却したいとの申し出を受け、シスコたちが受け取りに出向いた。
しかし帰還途中でディファイアントは大量のクロノトンに囲まれ、ワープ不能に陥ってしまう。
遮蔽も解除され、何者かが転送を使用した。
シスコがすぐに再度遮蔽させたとき、近くに別の艦が発見された。
それはカーク船長が乗る初代エンタープライズ(NCC-1701)だった。

カーデシアで乗船したワドルという元捕虜は、人間だと思われたが、変装したクリンゴン人のダーヴィンという者だった。
かつてカークの運ぶ穀物に毒を混ぜようとして失敗したダーヴィンは、100年以上の時を経て、時空をさかのぼり、歴史を改変しようとしていたのだった。

シスコたちは歴史を改変しないよう、当時のクルーになりすましてエンタープライズに潜入した。

クリンゴンとの境界付近にいたエンタープライズの前に、クリンゴン戦艦が現れる。
クリンゴン側に戦闘の意志はなく、基地(ディープスペースステーションK7)に数名が上陸した。

シスコたちは手分けしてトライコーダーを使いダーヴィンを探していたが、歴史を改変しないよう秘密裏に行うため、トライコーダーの出力をおさえる必要があり、広範囲にサーチできない。
エンタープライズでもK7でもダーヴィンを見つけられないでいた。

一行はK7のバーで落ち合ったが、上陸してきたクリンゴン人がスコットやチェコフと悶着を起こし、乱闘になってしまう。
シスコらも巻き込まれてしまうのだった。
一行はカークの前で整列し、尋問され、謹慎を命じられた。

オドーとウォーフがダーヴィンを発見し拘束した。
しかし、ダーヴィンはエンタープライズ乗組員の間に広まった、トリブルというペット生物に爆弾を仕掛けた後だった。
トリブルは12時間毎に10匹の子どもを産むほど繁殖力が強く、宇宙商人のシラノが持ち込んだばかりだったが、エンタープライズとK7内では急激に増えており、爆弾の捜索は困難を極めた。

ダーヴィンはカークの動きを知っているので、カークが行く場所に爆弾を仕掛けたはずだという推論から、カークが向かった食料保存庫をしらべ、爆弾を発見した。
間一髪、ディファイアントの転送装置で基地から爆弾を撤去し、宇宙で爆発させダーヴィンの企みは失敗に終わった。

■感想
このエピソードは、初代スタートレック(The Original Series:宇宙大作戦)の「新種クアドトリティケール」というエピソード(シーズン2エピソード15)の時間軸にシスコたちが入り込んでしまうという内容になっています。

元々のエピソードを知っているとより楽しめますね。

ディープスペース9の時代には、カーク船長と初代エンタープライズは伝説的な存在になっています。
時間犯罪者のダーヴィンを止めに行くという深刻な任務ではありますが、歴史上のヒーローとの対面に思わず浮かれるシスコたちが面白いですね。

映像的にも非常に凝っていて、カークたちの映像は昔のものを使っておりそこにDS9のメンバーを合成していますが、違和感なく溶け込んでいます。

ダックスはこの時代をリアルタイムで経験しており、以前のホストの時にクリンゴン人のコロスとは交流がありましたし、ドクター・マッコイが学生の時に交際していたようです。
なので、ダックスにとっては歴史上のヒーローに会ったと言うより、懐かしい知り合いに再会したという感覚なのでしょうね。

時代が古いため技術にも違いがあります。

・無線
DS9の時代では胸のバッジが無線になっていますが、カークの時代は携帯電話のようなデバイスでした。
・トライコーダ―
カークの時代のトライコーダーはやたら大きく、肩からぶら下げるものでした。
・ターボリフト
カークの時代のターボリフトは壁から取っ手が伸びており、これにつかまっていないと音声コマンドが有効になりませんでした。

それにしても、追加撮影した部分のセットは新しく作ったのか、それとも古いものが残っていたのか。
合成にしてみても、思った以上に手が混んでいるのではないかと思います。
でも絶対これ作ってて楽しかったに違いないですよね。

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