父と子(スタートレックディープスペースナイン レビュー / EP4-2)

ディープスペースナインシーズン4の第2話。

始まりからちょっと変わっています。
1人の老人を訪問する少女、なんと、ジェイク・シスコに会いに来たのだといいます。
その老人がジェイクなんですね。
ジェイクは作家として成功するが断筆、その原因を少女に語る、というストーリーです。

これはホント泣ける。
今までのスタートレックで1・2を争うほど感動できるストーリーではないかと思います。
ぜひハンカチの用意をしてご覧ください。

(以下ネタバレを含みます)

スタートレックって、新スタートレックのときは、各シーズンの最初はちょっと激しい(いかにも視聴率の取れそうなw)ストーリーがあり、2話目は気楽で楽しめる話という感じでしたが、この2話目の始まり方にはちょっと驚かされました。

「クリンゴンの暴挙」がちょうどシリアスな話だったので、もっと軽い話でくると思ってたんですよね。
見事に、良い方向に裏切られました。

ストーリーの種類としてはパラレルタイムラインもの。
ワームホールでの事故をきっかけとして発生した別タイムラインの話ですね。
というか、発生した時点では本来のタイムラインだったものが、最終的に別タイムラインとして終息したというか。

ワームホールでの珍しい現象を観察するために出かけた際の事故で、ベンジャミン・シスコが死んでしまいます。
ジェイクは悲しみに暮れた日々を送りますが、実は父は死んだのではなく、別次元にとらわれたのだと言うことが分かります。
別次元にとらわれている間は時間が停止したような状態になるらしく、時々短い時間こちらに戻ってくるのですが、戻ってくる度に浦島太郎のようにジェイクはどんどん歳をとっていきます。

ベンジャミン・シスコはジェイクの人生の時々に現れて、自分よりも年上となった息子とも対面していきます。
ジェイクが断筆したのは、父を助けるためだったのですね。

エピソード終盤では最後のチャンスに賭けますが、失敗。
しかし、失敗したことで自分が生きていることが原因で、事故の際に生じたジェイクとベンジャミンの時空を越えたつながりがあるうちは救出できないと悟ります。
そして、それを逆手にとって、ベンジャミンがこちらに戻ってきた瞬間につながりを裁つ=自分が死ぬことで救出できるということも。

結局それを実行し、年老いたジェイクは若いベンジャミンの腕の中で息絶え、その瞬間、時間が事故時点まで巻き戻る、というものですね。
ここで時間が分岐し、ここまで描かれてきたジェイクの一生は別タイムラインに押しやられます。

ジェイクの一生が45分の短い放送時間に詰め込まれた贅沢なエピソード。
結局はパラレルになってしまいましたが、一生をかけてベンジャミンを救ったジェイクには素直に感動できます。

ほんとなんか、ジェイクって良いやつだなと。
ウィースリー・クラッシャーはちょっと天才過ぎて鼻につくときがあるのですが(彼も良いやつですが)、ジェイクの方が身近に感じだれて僕は好きですね。

そして必見なのは、最後のチャンスでベンジャミン救出に向かう、年老いた元DS9メンバー。
ジャッジア・ダックスの歳取った感じって想像できなかったけど、うまい!
見事、艦隊で大佐にまで昇進したノーグにも拍手です。

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