選ばれし者の困惑(スタートレックディープスペースナイン レビュー / EP4-16)

スタートレックDS9シーズン4のエピソード16

信仰の篤いベイジョー人は、天空の神殿(ワームホール)を発見したシスコを使者と信じているが、ワームホールから突如現れた古代のベイジョー船から200年前の詩人が発見されて混乱が起こるというストーリー。
ベイジョーの社会がまた少しわかってきます。

(以下、ネタバレ含む)

■あらすじ
ワームホールから、200年前に行方不明になったベイジョー船が出現。
船には有名な詩人アコレムが乗っていった。

今まではワームホールを最初に発見したのはシスコということになっていたので、シスコが使者とされていたが、時系列で言うと先にアコレムが先にワームホールに入っているため、どちらが本当の使者か議論になる。

もとより自分を使者だと考えていなかったシスコは快くアコレムが使者であることを認める。
しかしアコレムは200年の間の変化についていけず、嘆き、すでに廃止されていた身分制度「デジャーラ」を復活させると言い出した。

デジャーラがなくなって久しいため、ベイジョー人も混乱するが、使者を信じる気持ちから少しずつデジャーラを復活させるという空気が高まってくる。
キラは芸術家になるため副官を辞任する決心をする。
しかし、ついにはデジャーラ復活が原因で殺人事件が起きるに至り、シスコも黙認できず、シスコとアコレムのどちらが真の使者なのかを預言者に確認することにした。

2人でワームホールに入り預言者と会う。
先にワームホールを発見した自分が使者だと主張するアコレムだが、そもそも線形の時間軸(時が過去から未来へ流れる時間軸のこと)を生きていない預言者はその順番には意味を持たせておらず、明確にシスコが使者であることが確認された。

アコレムは預言者の力で本来いた時代に送り返され、シスコはデジャーラ復活を取りやめた。


■感想
ワームホールを通ったからと言って必ず預言者と会うわけではないので、預言者というものの存在がいまいち曖昧ですね。
過去・現在・未来という時間の流れとは別の次元にいるという点ではややQに似ているような気もします。
ただ、預言者はワームホールからは出てこないようです。
また、シスコらと対話するときには、身近な人物の形を借りますので、DS9の面々として現れますね。

今回新しく分かったことは、デジャーラというベイジョーの身分制度ですね。
職業は世襲で、決められた職業以外につくことはできなかったらしいです。
ベイジョー人の耳飾りは身分を表しているのですね。

この身分制度、カーデシアの占領時代に廃止されました。
キラ曰く、「みんなで協力して戦うため」だそうですので、それによるとベイジョー人が自主的に廃止したようですが、カーデシアが強制的に廃止させた側面もあるのでしょう。
両方かな、たぶん。
以前にデュカットが、カーデシアの占領によってベイジョーでは良くなった部分もあるということを主張していましたが、これはその一例でしょう。
占領が終わっても一度廃止されたデジャーラは復活せず、自由な時代が続いています。

キラはどうやら元々は芸術家の家の出身だそうですが、キラの作品を見ると、、、、廃止されてよかったね、と思います。(笑)
それでも作ってみようとするところがかわいらしいですが。

占領からの解放後まもなく、またデジャーラが廃止されてからも1世紀も経っていないこともあり、抵抗はあるものの復活が行われそうになるところは、ベイジョー人の信仰心の篤さが表れていますね。
預言者の使者やカイ(宗教指導者のトップ)の影響力は大きいのでしょう。

DS9がうまくいっているのは、シスコが使者であることも寄与していると思われます。


さて、今回もサイドストーリーがあります。
長い間ベイジョーの生態系の調査ミッションに植物学者として同行していたケイコが帰ってきました。
しかも第2子を妊娠中ということで。
マイルス・オブライエンとしては嬉しいのですが、つかの間の独身気分に慣れ過ぎてしまったのか、窮屈さも感じているようです。

最初はケイコがいなくてさみしがっていましたが、その間にベシアとダーツやホロスイートに行って遊ぶようになってしまったので、自由な時間が減るのはストレスもあるのですよね。
うん、よーく分かります。(笑)

しかしケイコが一枚上手。
マイルスにはベシアが寂しそうだから相手をしてくるように言って外に出し、ベシアには夫が寂しそうだから話を聞いてくれと連絡して、外でガス抜きをさせるという。
妻、こえぇ。(^^;
ま、円満だってことですね。

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