地球戒厳令前編・後編(スタートレックディープスペースナイン レビュー / EP4-10/4-11)

DS9シーズン4のエピソード10と11。前後編に分かれた長編エピソードですね。

フェデレーションの首都である地球で開かれた、フェデレーションとロミュランの会合が、爆弾テロで妨害され、多数の死者が出てしまいます。
スタートレックでは珍しく、地球が舞台のストーリー。

(以下、ネタバレ含む)

■あらすじ
テロの映像を確認すると、どうやら可変種が関わっているらしいということで、可変種がらみだと第一人者のシスコがすぐ呼ばれます。
シスコを呼んだのはかつての上司、レイトン提督。
可変種は外見で見分けが付かないため、レイトンとシスコはDS9で導入されているセキュリティ基準をベースに監視体制を強化することを提案するも、騒動を嫌う大統領は拒否。
説得の結果、軍上層部とその家族のみを対象にすることで落ち着く。

しかしレイトンに化けた可変種が軍中枢に容易に侵入したりと対策はなかなか効果が出ず、街中の警備のものものしさやお互いに対する不信感などで次第にストレスがたまっていく。
そして、地球全体で停電が起こってしまう。
幸い停電を利用した攻撃はなかったが、これを機に大統領もより強固な対応を取ることを認める。

調査を進めていくシスコとオドーは奇妙なことに気づく。
停電を起こすには全地球管理局へのアクセス権やネットワークコードなど、手に入りにくい情報が必要なため軍上層部の関与を疑う。

果たして停電の真相は、大統領の弱腰に業を煮やしたレイトンが、可変種の脅威に対応するための強権を手にする目的で仕組んだ、自作自演の事件だった。
シスコ、オドーらの調査により真相が発覚し、レイトンは職を追われることとなった。


■感想
フェデレーションの大統領は初登場ではないでしょうか。
地球が中心になっているので大統領も地球人を予想していましたが違いましたね。

過去の地球にタイムスリップするエピソードは多いのですが、同時代の地球が舞台になることは少ないですね。
エンタープライズの探索ミッションは地球から遠いところを航行しているのもその理由の1つでしょうか。

誰が敵か分からないなかでシスコとオドーが真相を推理していく、なかなか緊張感ある展開になっています。
最終的にどこまでがレイトンの自作自演なのかははっきりしませんが、こんな感じ?

(1)ロミュランとの外交会議の爆弾テロ
→可変種の仕業

(2)DS9のワームホールが、船の通過がないのに不定期に開いた
→ドミニオンがクロークして通過したと誤認させるための自作自演。また、かつての部下のシスコを呼び寄せる口実

(3)地球全土の停電
→大統領に決断を迫るための自作自演

いちおう爆弾テロは可変種の仕業っぽいですけど、そんな細かいことするのかな?
でも、可変種はわりと裏で暗躍して、味方同士の反目をしむける傾向があるようなので、そのためとすればあり得るかも知れませんね。
そういう意味で言えば、レイトンの暴走も、広い意味で可変種の思うつぼ、もしかしたら計画の一端だったのかもしれません。


USSラコタとUSSディファイアントの戦闘シーンは見物です。
フェデレーションの船同士が戦うことは珍しいですからね。
ディアイアントの指揮官はウォーフ。
ラコタはフェイザーが強化されており、ディファイアントの意表を突くものの、やはり最強の戦艦は強かった。
元々なかった量子魚雷を追加装備もあったようですが、こちらは使わず。

ディファイアント側に2名、ラコタにも死亡者が出たようで、レイトンは辞任では済まないですよね。

フェデレーションの首都でさえも可変種の手が伸びている、もう安心なところはないという事実が確認され、今後のシリーズ展開がますます楽しみです。

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