ザ・クラウン(Netflixオリジナルドラマ)
エリザベス女王(エリザベス2世)を描いた全10回のオリジナルドラマシリーズ、ザ・クラウンを観終わりました。
なかなか興味深い内容でした。
■■現役の女王をドラマ化するという発想
エリザベス女王といえば、長く英国に君臨する王であり、高齢ながらまだ現役です。あまり歴史には詳しくないですけど、時代の流れというか、国民に親しまれる王室を築き、人気のある君主という印象を持っています。
僕はどっぷり日本人なのか、このように現役の君主について、ドラマをつくるということが中々想像がつきません。
首相とか大統領ならともかく、国王ですからね。
日本で今上天皇が主人公のドラマなんて、想像できないですし、もし仮に作ってもあまり受け入れられないような気がします。
どの程度、事実に基づいているのかはともかく、生身の女王を描くドラマが作られること自体が、女王が国民にいかに親しみをもって受け入れられているかがわかるような気がします。
■■女王として生きることの大変さ
ドラマのタイトル「ザ・クラウン」は王冠のこと。女王は女王として即位したときから、個人ではなく王であり、その象徴の王冠を背負うことになります。
お話に出てくる王様とかお姫様みたいな気楽な世界ではないですね。
庶民には分からない苦労と苦悩が描かれます。
さらに女王ですから、立場上は夫よりも地位が上になるという苦労もあります。
男尊女卑というわけではないですけれども、男の王であれば、王妃との関係というかパワーバランスはとりやすいと思います。
一人の人間として、娘として、妻として、母として、姉としての自分と、クラウンとの間での葛藤が、静かな展開で描かれていますが、壮絶なもので、観ているだけでこちらが重圧に押しつぶされてしまいそうです。
■■映像美
Netflixオリジナルドラマはいつものことながら、美しい映像で、感動させられます。今回は舞台が王室ですので、きらびやかな衣装、宮殿も見どころ。
周りを固める役者も素晴らしく、シャキッと姿勢の正しい、美しい所作で、英国っぽいなと。
そして、少し埃っぽいような演出だったり、白と黒のモノトーンっぽいシーンでやや紫がかった色使いだったり、英国に行ったことない僕ですが、英国ぽっさを感じました。
■■シーズン2は?
存命中の女王の伝記的なドラマですので、当然ストーリーに完結はまだありません。どうやら予定では全6シーズン(60話)のようです。
シーズン2の製作はすでに決定しているみたい。待ち遠しいことです。
ただ、面白いドラマが長く楽しめるのは良いんですけど、6シーズンはちょっと長いような気がするなぁ。
3シーズンくらいで余韻を残して終わったほうが、シリーズとしての魅力は高くなるような気もする。
・・・とかいう不安の上を行く、傑作を期待したいわけですが。
とにかく、今はシーズン2を待ちます!
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