レビュー:TOEIC TEST 単語特急 新形式対策 (TOEIC TEST 特急シリーズ)



2016年9月発売の「TOEIC TEST 単語特急 新形式対策」。
著者は森田鉄也さん。

主にPart5の語彙問題の対策本です。
問題数は100問。
約57分の音声ダウンロード付きで、760円+税。

■■どんな本?

●Part5形式の4択問題を100問掲載。
Part5には大雑把に言って文法的に解く問題と意味から解く問題の2パターンがあります。
本書は、文法も絡めながら解く問題もありますが、基本的には意味・語彙力で解いていく形になります。

●正解以外にも語彙を増やす仕掛けが盛り沢山
100問と言っても、単語が100個しか覚えられないということではありません。
不正解の選択肢も頻出の語になっていますし、空欄以外の場所にもTOEICでよく見かける単語が沢山散りばめられていますので、実はかなりボリューム満点です。

●音声は、米発音・英発音の2通りが付属
ダウンロードできる音声は、米発音版と英発音版があります。
同じ文を2人のナレーターが読むので、本書のすべての英文を両方の発音でチェックすることができるというこだわり。
これって結構珍しいし、すごいことかも。

■■この本のいいところ。

●安い!
まず非常に手に取りやすい値段であることは大きなメリットです。
高い参考書を買って失敗すると悲しいですけど、この価格ならお試しで買って外れてもいいかなという気になれます。

●ボリュームがすごい
ペラペラとめくっていただくとおわかりいただけるかと思いますが、まず問題文の下に、空欄以外の重要語が沢山でています。
解答解説ページには、不正解の語も含めて、意味・コロケーション・派生語の説明が紙面のかなりの割合を割いてこれでもかっと掲載されています。

書名などから想像できないのが残念なくらいのボリュームで、この本1冊だけでもきっちりやり込めば、TOEICの語彙についてはかなり広くカバーすることができると思います。

●持ち運びやすい
特急シリーズは忙しいサラリーマンをターゲットにしたシリーズです。
新書サイズで持ち運びやすく、紙面の構成も、電車の中などで読みやすく、空き時間を効率的に利用しやすくなっています。
常に持ち運んでいつでもできるというのはとてもありがたいですね。

■■この本のいまいちなところ。

●学習者のレベルを選ぶ
盛りだくさんであるがゆえに、単語に苦手意識が強い場合には、ちょっと敷居が高く感じるのも事実です。
実際、僕は850点くらいのときに苦手な単語を攻略したくて本書を買いましたが、そのときはページをめくるたびにわからないことが多すぎて、続きませんでした。

この辺は単純にスコアだけでなく、各個人の得意不得意の分野によると思いますので、単語力に少し自身があるけどもっと深めたいという場合には、800点レベルでも全然大丈夫でしょう。
また、どのくらい時間と気合を注ぐかにもよります。
わからないことは多いけど、ガッツリ単語を頑張ろう!という気合があれば、本書は非常に頼りになる参考書です。

ちなみに僕は後述の金フレ、プラチナボキャブラリーで単語を増やしてから、仕上げとして本書にトライしています。

●解説は不明瞭
問題の解説はやや不明瞭です。
「この単語と相性が良いのはこれなので、Aが正解」などという表現が多く見られますが、「相性がいい」と言われても、学習者がそれを理解するのは難しいと思います。
要するに意味としてしっくりくるとか、よく使われる組み合わせであるとかそういうことが言いたいのだと思いますが。

本書は問題の解説よりも、選択肢に出てきた単語の意味を覚えていくというところに力点をおいているようですので、問題の解き方のテクニック的なものは求めないほうが良いです。

■■TOEIC TEST 単語特急 新形式対策 (TOEIC TEST 特急シリーズ) はどんな人におすすめか。
・ある程度語彙の勉強もしてきて、ハイスコアを目指して仕上げをしたい人
・語彙の学習に気合と時間を割ける人

逆にこんなにとにはあまり向きません
・800点レベルくらいで語彙が苦手
・600点レベルくらいで、これからTOEICの特典を効率良く上げていきたい
このようなタイプの方には、「金のフレーズ」もしくは「プラチナボキャブラリー」をおすすめします。



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