四月は君の嘘 2周目! 3.春の中

  ※アニメ本編すべて+番外編マンガ CODAまで読んだうえでの2週目の感想なので、【ネタバレ】を大量に含みます。
ご注意ください。


■私は作んない

巨大なキャラメルワッフルを食べるシーンからスタート。

こういうのも、マンガだからこんな大きいの食べて大げさだよね~、とかいう感想しか最初は持たなかったのですが、この大きさのを満腹になるまで食べるということが宮園かをりにとってとても意味があるというのが後でわかってすごい。

これについては後でもう一回触れる。

私「は」作んない、と言ってるのは、家がお菓子屋さんだからですね。
芸が細かいセリフ回しです。

■幸せなピアノ

喫茶店の隅に置いてあるピアノに対してのコメントは、かをりと公生のこの時点での音楽観が反映されてますね。

途中で弾けなくなってしまう公生なんだけど、これもこの時点ではマンガ的なご都合主義のストーリー展開だと感じてた。
でも、後々わかるけど、公生はかなりひどい虐待を受けていたので、確かに精神的におかしくなってしまうということも、現実でもあり得るのかもしれない。

作中で虐待という言葉は出てこないけど、明らかに虐待だよね。
これは見ていて辛くなった設定で、公生の母親が出てくるたびに目をそむけたくなってしまいました。
難しい問題だから、これを織り込むには勇気が必要だったのではないかと思います。

そして、たぶん公生の事情をそんなに深く知らない宮園かをりは、励まそうとするんですけど、ここだけはちょっと無理がある展開かなと思う。
実際にそういう経験をした子に、この励ましはきっと酷だろうと。
まぁそこで立ち直っていけるところだけはマンガ的だなと納得することにします。

■こういう気持ちは、あこがれっていうんだ

どっちかというと、公生の方がかをりに一目惚れというか、先に完全に好きになっていた気がする。
その点はこれよりも前に渡にも指摘されているけど、でもこれは「あこがれである」と言い聞かせているような。

もちろん、実際にあこがれであることも間違いないんじゃないかなと思います。
モノクロームの世界に土足で入ってきたカラフルな女の子が、自分の音楽観と全く違うところで才能を見せつけてきたから。

青春やね~~~。
この辺の展開はとても良い。

■椿ちゃんは有馬くんが好きなんだね

ついにストレートに探りを入れてきた!(笑)
これはこじれそうな予感がしてきます。

この辺から宮園かをりの方も、かなり公生を意識し始めてるんじゃないかと思います。


■病院大学病院前でバスを降りるかをり

いよいよ伏線もわかりやすくなってきます。


でも、この時点でも重い病気だとわかる人はいないと思うけど。
これも後からわかること。

普段は歩いて帰ってるけど、この日は椿とかをりはバスに乗ってる。
たぶん、雨が降ってきたから。(この説得力もうまい)

椿が先に降りてすいてきたバス内に、大学病院前のバス停の案内アナウンスが流れ、降りるボタンを押す、という事情を知らなければ何気ないシーン。
家の近くのバス停が、大学病院前って名前の可能性だって普通にありますからね。

でもこの病院は、かをりが長く通っているところと後でわかります。
大学病院に一人で行くってことは、相当慣れているしあまりただ事じゃない感じだよね。
2周目でみると、このシーン、すでに切ない。

■屋上でのセリフ

屋上で公生を見つけた時のセリフは本当に泣ける。
これは1度目はあまり泣けない。
2度目はマジで泣ける。

私は全力で弾く。聴いてくれた人が、私を忘れないように。その人の心に、ずっと住めるように。

芝居がかってて、大げさなセリフ。
でも自分がもうすぐいなくなるかもしれない、ということを踏まえていることがわかれば、全然大げさじゃない。

私をちょっぴり、支えてください。
くじけそうになる私を支えてください。
泣きながらのセリフ。
「くじけそうになる」というのが、コンクールに対する緊張くらいにとらえるのが普通だし、そのくらいで泣くほどコンクールに入れ込んでいるように思えないから、少し違和感を感じてしまったセリフ。

でもさ、ほんとは違うんだよ。
もっと大きなものにくじけそうなんだよ。

もちろん公生もこの言葉の本当の由来をまだ知らないんだけど、それでも本気は伝わったんだと思う。

■一見マンガ的な大げさな表現が、最後まで見た後には必然に変わるすごさ

この回は特にそれを感じた。

大きすぎるケーキや大げさすぎるセリフなんですけど、それにはちゃんと意味があったんですよね。
こういう部分が、最後まで見た後に2度目を見たくなった理由。
2回目の方が感動できる作品って珍しいんじゃないでしょうか。
これはすごいです。

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