完全ワイヤレスイヤフォンは来年まで待って買う。

唐突に発売されました、AirPods Pro。

Appleの完全ワイヤレスイヤフォンも、AirPodsやBeatsでノウハウがたまりだいぶこなれてきたのかもしれませんけど、今回の目玉はノイズキャンセリング機能でしょうね。

■ノイズキャンセリングの2トップ

ノイズキャンセリングといえば、ソニーとBoseが老舗ですね。
最近ではほかのメーカーも搭載するようになってきていますが、いくつか比べたことはあるものの、やはりこの2社は歴史が違う(1980年代くらいからやってる)ので、スペック以上の信頼感があります。

そこに殴り込みをかけてきたのがAppleのAirPodsです。

これは正直、ソニーやBoseからもやや脅威なのではないかなと思います。
Appleは、母艦となるiPhoneのOSからまとめて開発している強みがあって、他社ではできないレベルでの調整が可能ですし、なんだかんだいって技術をうまくまとめてハイレベルな製品に仕上げるのが得意です。

■ノイズキャンセリングはシビアな技術

ノイズキャンセリングは、理屈としてはあまり難しくないんですね。
外から入ってくる雑音と逆の形の音の波をぶつけて中和するというようなイメージらしいので、理解しやすいです。
しかし実際はかなりシビア。

まず耳の形の個人差。
マイクやスピーカーを個人に合わせて配置できるわけではなくて、万人に合うイヤフォンという形に仕上げなくてはいけないので、微妙に違う位置・角度、さらに耳の形の違いによる雑音の入り方の差異に対応しないと、誰もが満足する効果が得られません。
これは、耳の外側で動くヘッドフォンタイプのノイズキャンセリングよりも、耳の中で勝負するイヤフォンタイプの方がより難易度が高いでしょうね。

ただ外の音と反対の音を出せばいいというわけではなくて、一番うまく消える出し方というノウハウがあって、それはスペックには出ないわけです。

そして電子機器であるが故の通信などの調整ね。
完全ワイヤレスイヤフォンはスマホと遅延なく通信し続ける必要があって、小さな端末の中で安定した通信をするというのもなかなか難しいことです。
その他にもバッテリーの持ち時間、装着性(快適さやずれにくさ)も重要。

要するに、ただ音を鳴らせばよかった古き良きイヤフォンとは違って、かなりいろいろな分野の最新技術を取り入れたうえで、それぞれのバランスをとって製品に仕上げるというのはかなり難しいことなんだと思います。

音響メーカーとして知られるところは音に関しては専門でも、通信やバッテリーなどには弱かったり、逆に電子機器の周辺機器メーカーから参入したところは音が適当だったりとか、全体的に高いレベルで完成させるのは大変でしょうね。

■AirPods Proのノイズキャンセリングは評判が高い

音ってなかなか客観的な判断は難しいので、あくまで「個人の感想」の寄せ集めにしかならないのですが、AirPods Proのノイズキャンセリングは悪くないようです。

ソニーのフラグシップ「WF-1000XM3」、ネックバンドタイプですが、Boseの「QC30」と比べて、やや勝ち~やや負けくらいの評価がみられます。
あいだを取って、同等と考えてもよいかもしれません。

AirPods Proは、装着についてiOS側から診断する機能があるということなので、「正しい装着方法が容易で効果を発揮しやすい」という点もノイズキャンセリングの効果が高いと感じる一因かと思います。
(ソニーやBoseでノイズキャンセリングがいまいちと思う場合は、装着方法が正しくない可能性もありますので)

とはいえ、Appleには信者がいますので個人的にはやや劣るのではないかと想像していますけど、それでも初めてのノイズキャンセリング製品としては相当驚異的な完成度でしょう。

■でもちょっと待って

Boseの完全ワイヤレスタイプのノイズキャンセリング搭載イヤフォンが、2020年発売予定です。
僕的にはたぶんこの機種が本命だと思ってます。
その他にもAmazonもGoogleも、マイクロソフトさえも完全ワイヤレスイヤフォンを発売する予定になっており、これから魅力的な製品が出てきます。

なので、今最高峰を求めるとすると、ソニーのWF-1000XM3か、AppleのAirPods Proだと思いますが、すぐに買う必要がない(今使っているものでもう少しがんばれる)のなら、来年まで待ってもいいかもしれないかなと思います。
選択肢が出そろってから選んだ方が後悔しないかなと。

ま、僕はBoseのイヤフォンが発表された瞬間、予約すると思いますけど。(笑)

コメント