ネイマールのVAR批判

2018-19シーズンチャンピオンズリーグ、ラウンド16セカンドレグのマンチェスターユナイテッド戦で、PSGは土壇場でPKを献上し敗退となりました。
この試合、負傷離脱のためスタンドで観戦していたネイマールは、土壇場のPKのシーンのVARについて、「サッカーを知らない」などのコメントをインスタグラムに投降したといわれています。
※実際のコメントは見ていないので詳細は省きますが。

■VARの関与の仕組み

VARは、別室でビデオを確認しているレフェリーと主審がコミュニケーションし、必要に応じて主審がビデオを実際に確認したうえで判定を下すという仕組みです。
VARが関与するかどうかの判断は、決定的なシーンで見逃がしの疑いがあった時にVAR側から助言するか、主審側から確認を求めるか、となります。

大事なことは、VARに限りませんが、常に最終的なジャッジを行うのは主審であり、VARは主審が利用できる情報源の一つにすぎないということです。

■何が問題?

ネイマールはビデオを見ているアシスタントレフェリーに対して、「サッカーを知らない」と批判したようです。
これはビデオアシスタントレフェリーが判定を下しているという前提に立った批判に聞こえますので、この時点でレフェリングの仕組みが分かっていないと言えます。
VARの進言が間違っているという可能性は当然ありえます。
その際は主審がビデオを見て、採用しなければいいだけの話で合って、その意味ではVARがハンドのルールを勘違いしていても主審が正しく理解していれば大丈夫です。

また当然のことながらVARも相応の資格を有したプロの審判員です。
ルールに関して専門の訓練を積んでいますので、サッカーを知らないなどと呼ばわれる筋合いはありませんね。

ネイマールだってシュートを外した時、「お前はシュートの打ち方を知らない」と言われたら相当な侮辱だと思うはずですが、それと同等、もしかしたらそれ以上の侮辱的な発言だったということは重くとらえなくてはいけません。

何度か書いていて繰り返しになってしまう部分もありますが、VARは専門の審判員がビデオを使ってゆっくり事象を検討できるシステムで、その精度は極めて高く、VARが入ったシーンについては、ほぼ100%に近いといって良いものです。
審判が間違いを犯すのはサッカーというスピードの速いスポーツで次々に起こる出来事を一瞬で判定していく必要があるという点が非常に大きく、VARはそれを補う優れた仕組みです。
それを理解せずこのような批判がなされたことは非常に残念です。

■ネイマール、どうなる?

UEFAは今調査を行っているようで、場合によっては来年のCLでの出場停止があり得るようです。(何試合かは分からないけど)
ベンチ入りもしていない選手に対しての処分としては重いと感じますが、この問題はそれだけ重要なんですね。

VARについては元審判員みたいなのが批判的な発言をしていることなども聞こえてきます。
さすがに元審判員となるとUEFAから何か規制ということにはなりませんけど、メディア的に面白いから批判的なことを言うみたいなことであれば、ほんとやめておいた方が良いのになと思います。

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